NHKドラマ「こもりびと」を先日見ました。
武田鉄矢が元教師のお父さん役と聞き、え?金八先生と思ったのは私だけではないはず

親サイド、子供サイドの心境を丁寧に描いているなと思いました。
働いて、結婚して普通の人生を歩いてほしい親、動きたいけれども動けない子ども。お互いにわかりあえないまま・・親は胃癌だと宣告され、親は親としての最後の務めを果たすために引きこもりの息子(松山ケンイチさん)を孫と一緒に何とかしようとするお話です。

今、引きこもりは全国で100万人いると言われています。40歳以上の引きこりもふえて、このままいくと80歳の親が50歳の引きこもりの子供の面倒を見ないといけない「8050問題」が社会問題になるのも時間の問題だと思いました。


引きこもりは本当に誰にでもなる問題です。親世代と子世代間のギャップ、生まれたのが就職が最も難しいと言われた氷河期世代、仕事につけたとしても非正規社員、パワハラ、セクハラ、家へ帰るとどやされる・・もう明日から引きこもりたくなるわ!ってなります。

松山さんが引きこもりになったきっかけは、たった1つの出来事ではありません。
大学受験の失敗、氷河期世代の就職難、ファミレスで店長勤務をしていたころに受けたパワハラ・・そして鬱。
武田鉄矢さんが全然松山さんに寄り添わなかったのですよ。「努力不足」「氷河期世代でも就職できている人はいる」とか他と比べて人格否定されたら、そりゃ自己肯定感低くなりますよ。


ドラマでも、お孫さんが「パワハラセクハラが当たり前の世界で普通に生きていくのは無理」というセリフがありました。社会や会社が利益や効率性を求めすぎているせいで人間が犠牲になってしまうんです。(このお孫さんは就活中の女子大生で、作中ではOBにホテルへ連れ込まれるという最悪なセクハラを受けています・・内定をちらつかせてセクハラは絶対に許さない!)


引きこもりの会のシーンは、おそらく本当に引きこもりを体験された方が友情出演されていたのかなと思いました。「仕事をしようとしたらつぶされてしまう」「普通になりたい」という言葉に心が痛くなりました。本人たちが一番苦しんでいるんですよ。何とか親の期待にこたえたい、けど社会へ出たら苦しめられる・・そんな強い人間じゃない自分を責めてしまう。みんな強い人間ばかりじゃない


親も普通に働いてほしいと願うのは当然ですが、親の意識を変えないといけないですよね。子供に寄り添うって口では簡単に言いますがすごく難しい。親は特に世間体を気にしますからね
世間体っていうけど案外引きこもりだとわかっても他人からしたら「あっそうなんだ」くらいで片づけられるんですよ。でも親からしたら親の評価=子供の評価だととらわれがちなので恥ずかしいとさえ思う。だから隠してしまうのですよね・・

ドラマではSNSを通じて武田鉄矢と松山さんが交流をし、(松山さんは相手が武田さんとは知らず・・)少しずつ離れていた親子の距離が埋まろうとしていました。

でも事態は一変し、自害しようとする松山ケンイチさんに武田さんが「生きててほしい」と訴えるシーンは、親の本心です。どんな子供でもやっぱり生きているだけでいいと思えるものです。
その場で武田鉄矢は吐血し、救急車で運ばれながら搬送先で死んでしまいました・・・(最後に自分はダメな親だったといったときは、私ですらそんなことない!と言ってしまいました。最後まで本当に寄り添いましたよ)
エリートじゃなくていい、立派な仕事につかなくていい、結婚出産しなくていい・・ただ元気でいてほしい。ほんとそれだけです。


最後のシーンで、松山さんのように親の死がきっかけになりましたが、喪主として大勢の人前に立って自分の気持ちを読み上げたのは大きな一歩ではないかと思います。あのシーンは涙出ました。


昔に比べるとかなり生きにくい世の中です。世の中の価値観も大きく変わっています。
本当に主婦の私ですらしんどい、多様性を認める世の中になればムスコたちが成人したころにはもっと生きやすくなってくれたらいいのになと思います。

何だかグタグタのレビューでごめんなさい!

割と身近にある問題です


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